先日のカンブリア宮殿のゲストは四季リゾーツ社長、山中直樹さんでした。
彼は東大卒の三菱地所に入社したいわゆるエリートと言われる経歴の持ち主。
全国34ヶ所に展開している四季リゾーツの宿泊施設は、これまでの業界を覆す価格設定が魅力だ。業界の常識として、需要と供給の数値に基づき、金土日や繁忙期は値段が少し上がり、平日や閑散期には値段が下がるという形態がとられている。そして、金土日や繁忙期は忙しいこともあり、価格が上がるのに対し、サービスの質は下がると言われている。しかし、四季リゾーツでは年間を通じて一律1泊朝食付き5250円、もしくは1泊朝夕食付き8400円という、時期に関係なく、いつきても同じ料金で同じサービスを受けることができる。
この安さのからくりはバブル期に企業の福利厚生施設としてたくさん建てられた保養所(2011年現在、全国235ヶ所)を無償で借り上げ、空き部屋を一般客に提供しているのだそう。年間利用者数はなんと14万人以上。安くて良い宿で日本の旅行に革命を!だそうです。何かの本で日本人が一年間に旅行に使える費用は10万円というのを見て思ったらしい。
四季リゾーツのメインターゲットは家族で、一棟丸ごと貸し切りプランという斬新なプランがある。それも7万3500円で貸し切り可能。
他にはエコプランというものがあり、スムースチェックインとアメニティなしでより格安になるプランがある。
必要なサービスを客に決めてもらうということらしい。
従来のプランでは1泊2食が自動的に付いて価格が表示されているし、アメニティが付いているのは当たり前だったが、では、その食事はいくらで宿泊費がいくらなのか明示されていなかった。こういったサービスの価格は明らかにすべきという社長の考え。本当に必要なサービスだけを提供する。
スタッフの働き方は一般的にはシティホテルなどは、フロントならフロントだけ、清掃なら清掃だけ、といったように各セクションごとに専門スタッフが働いているが、四季リゾーツでは、チェックアウトから清掃、チェックイン、夕食、調理まで全てを行う。ビジネスホテルなどではこういった一貫して一人のスタッフが行うことはあるが、調理までするとは驚きだ。また、ひとつの施設に留まらず、稼働率に合わせて日によってエリア内の施設を移動することがあるとはすごい。
また、徹底的なコスト削減にも取り組んでいる。客が増えたにも関わらず電気代は年間2割削減が実現した。ボイラーはこまめに切り、1日2万円削減。
このような取り組みや革新的なビジネスモデルを作り上げた。
ここから、私の感想。
社会の変化にうまく対応して、必要性がなくなり、企業に維持費などの負担が大きくなってしまった『保養所』を利用したという点に社長の先鋭的な視点が感じられた。
サービスの概念を変えたということ。
客が金を払うサービスを客に決めさせるというサービスの可視化が伺えた。
働き方も、チェックアウトから清掃、チェックイン、夕食を一人スタッフで全て行うことができるというのは他のビジネスホテルなどでもよくあるが、他の施設にも稼働率に合わせて日によって移動するということはなかなかできないことだと思う。
この3点が必勝ポイントだと思いました。
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