2012/02/15

インバウンドがもたらす経済の力


2012/2/14放送「ガイアの夜明け」を見て。

今回は震災で激減した外国人観光客を取り戻すための取り組みでした。インバウンドがもたらす経済波及効果の裾野が見えてきます。そもそもサービス業に携わっているいない人は、温泉の箱根小涌園とディスカウントストアのドンキホーテが何をどう提携するのかが全く予測できなかったかと思います。震災後、激減した訪日外国人ですが、そこで打撃を受けるのは、なにも観光業(宿泊業、旅行業、運輸業など)だけではないのです。



そこで今回登場したのが、箱根にある温泉の箱根小涌園とドンキホーテ小田原店。



まず、訪日外国人がどのくらい観光業以外に影響を与えているのか。

ユニクロ銀座店では3/16の改装オープンにともない、六ヶ国語対応を始めることにしたそう。これはユニクロにとって初めての大きなトライとのこと。外国人観光客に言葉の壁をなくし、買い物しやすい店舗づくりをめざすとのこと。店員の首からかけられたカードにどの言葉ができるか書かれている。このエリアでは売上の2~3割が訪日外国人だそう。


ドンキホーテ新宿店は説明書きがタイ語だったり、POPが中国語だったり、アジア人を中心として訪日外国人が比較的多いそう。店舗によってはこちらも売上の3割が訪日外国人。ようこそパスポートという割引価格で買い物できるカードを旅行会社と提携して配ることで呼び込みを行った。これはかなり人気があるようだ。訪日外国人集客プロジェクトチームには5人の外国人スタッフがいて、外国人が足を運ぶよう日々情報発信をしているとのこと。
ようこそパスポートも考案し、訪日旅行を取り扱う旅行代理店に配ることで、日本への観光を促しています。


ここで登場するのがドンキホーテ小田原店の秘密兵器。英語や中国語、韓国語のマップ(案内図)です。これには仕掛けがあり、音声ペンでその言語をタッチし、そのまま見たい項目をタッチすると、その言語でその観光情報が流れる仕組みです。これは旅に行く前から音でワクワクしてもらえるということで好評のようです。イメージが湧く。音声ペンとマップ(案内図)のセットで海外の旅行代理店や箱根小涌園などに貸出しています。また、ドンキホーテはレストランなどで注文するのに困らないようにガイドブックも作っていて、これにも音声ペンを使うと、その言語で必要な言葉が流れるようになっています。キャブステーションという観光客を運ぶタクシーも、この音声ペンとマップ(案内図)を使い、観光客の行きたいところを案内していました。最後にドンキホーテにも案内していた。キャブステーションという観光客を運ぶタクシーサービス会社の方が「街全体で(外国人観光客を)おもてなしするという発想」(が必要)と話してた。まさにその通りである。これはもうずっと観光庁長官の溝畑さんが言っている。


訪日外国人のうち、国別で多いのが韓国だそうで、震災後落ち込んだのも韓国とのこと。韓国から日本への観光客を呼び戻す取り組みが始まる。また、日本への観光に強いという旅行社は中国でも売り込みをしました。2011年に上海で開かれたイベント会場で、上記のマップ(案内図)を配布。




箱根小涌園の外国人観光客は前月の二倍になったそう。「地域の連携がやはり必要」、と箱根小涌園の方は話していました。ドンキホーテは、ようこそカードで前月比166%になったそうです。




次に、スキーの話題。

日本のスキー人口は1993年をピークに今は3分の1に減少。中国では、逆にスキーブームが起きている。中国からスキー客を呼び込もうということに。ちなみに、白馬は1998年に長野オリンピックで原田選手が金メダルを取ったところ。しかしながら、白馬では2つのスキー場が営業停止に追い込まれた。再生を手がける会社では、中国人スキー客を呼び込むために、中国語対応のマップを作ることを考える。中国はスキーが始まって10年。スキー場はどこも狭く、中国は日本からも近い。北京のスキー場はすべて人工スキー場で雪が水っぽいとのこと。それに比べ、白馬の雪はパウダースノー。日本に10年いて、白馬のパウダースノーの素晴らしさを知ってしまったプロジェクトの関係者である中国人は、是非そのパウダースノーを中国の人にも体験してほしいと願う。中国のスキー場にパンフを持って売り込みに行くのだが、日本は放射能が怖い、親が心配する、などの声が聞かれる。そこで、放射能を独自に測定し、それも中国人が計測して写真に写っているところを、中国のミニブログに掲載しました。

ちなみに震災後、SNSや個人ブログなどのメディアを使った情報発信は観光庁が一番取り組んでいたと思う。


それが奏功したのか、北京のスキー客28人が白馬に行くことになる。受け入れ先は白馬ハイランドホテル。ホテル側では、中国人観光客の受け入れにあたり、飲み物の検討や、中国語で説明した張り紙を手作りで追加するなど準備に追われる。白馬のスキー場で体験したパウダースノーの評判は上々のよう。7泊8日で一人あたり約19万円とのこと。






このように、訪日外国人がもたらす経済効果は、観光業のみならず、地域の様々な業界に影響がある。日本のインバウンドはアピールしていかなければ、自然に増えるわけでもない。

  • 地域一体化
  • 地元の人が地元を誇りに思うこと
これがまず、私達にできることだと思う。

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