2012/02/03

旅行業界

偶然旅行会社で働く方と知り合いになり、深夜に1時間もお話させていただいた。

彼はフリーター→バックパッカー→IT→旅行会社というように、自分で道を切り開いてきた。まず、第一に世界旅行をしたいという夢があり、そのために就活をしなかったそう。その後IT系の会社に入り、Webをつくっていたこともあり、旅行会社でWebコンテンツ製作のようなところに携わっているという経緯である。初めの夢が叶った現在は南米に住むことが夢だそうで、そのための人間関係作りができる点で旅行会社に利点があるそう。

旅行は新卒で、比較的人気な業界だが、3年以内の離職率は半数程もあり、3年以上続くと忍耐力があると思われるらしい。


旅行会社と一口に言っても、オールマイティーな会社、ダイレクトに売っている会社、テーマのある会社など様々である。旅行業界でよく言われることは、激務、低賃金、サービス残業、昇給しづらいなどがある。彼の会社はオールマイティー志向で、いま伸びてきているところ。朝9:00に出社し、夜23:00くらいまで仕事をしているそうです。

“旅行会社にしかできないことがなくなってきている”というのは、以前のブログにも書いたように、実際に働く人もそれを感じている。宿泊場所や交通チケットなどは自分でインターネットや、各々の機関で手続きできるため、旅行会社を介する必要性がないのだ。観光資源は飽和しており、どの会社も同じ資源をパッケージ化して売ることをすると、自ずと低価格競争を招く。特に韓国、台湾、グアムなどがそう。韓国のツアーはめちゃくちゃ安いものが出回っており、1件のツアーで利益は1000円程にしかならないらしい。つまり、薄利多売をせざるを得ない状況。一方で、アメリカなどはそういった競争に入っておらず、そこまでセールスしなくてもいいらしい。どの方面を担当するかで、仕事の状況は変わる。

また、旅行会社で働く人の金銭感覚の麻痺という問題点を挙げられた。例えば、ヨーロッパ30万円のツアーがあって、それはそれで妥当な値段だと思って売っている。それが25万で売り出されたとすると、なんでこんなに安くなったのに売れないのか?と考える。一般消費者にとって30万円は高いし、25万円でも高いのだ。そういう普通の金銭感覚というものを忘れてしまうみたいで、それは売れるわけがないと思っているそう。バックパッカー時代にタイで500円の宿に泊まることがあったけど、旅行会社で売り出すのは1万円の宿など、仕方ないこともあるそう。

次に、オールマイティー志向であり、まだ未開拓の地をパッケージ化して提供する夢を持ち、働く人は多いみたいで、彼もその一人だそう。それまでがとても大変だから、辞めてしまう人が多い実情。



まとめると

  • 旅好きな集団なのに旅に行けないほど忙しい
  • 普通の金銭感覚を持って考えられるか
  • 自分の夢を持ち、実現に向けて続けられるか
  • オールマイティーで飽和してるのか、成長を続けているのか

観光を学んでる者として、観光には多角的に無限の可能性があると思えるのに、この現状はとてももったいない。旅行業界の古い体質の変革が求められる。

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