今日(10日)は社団法人日本観光振興協会主催の産学連携オープンセミナーに参加してきました。JTBのリクルートサイトでも広報があったので、就活生がかなり大勢いました。
基調講演として、観光庁長官の溝畑宏さんがいらっしゃいました。パッションがあって、親しみやすい雰囲気の溝畑さんがとても好き。お話の内容はいつも(もう何度かお伺いしたことがあるので…)と同じ内容でした。『日本を元気にする=地方発信』地元の人が地元を誇りに想う、それが日本の力になるといった趣旨の内容です。フレッシュな方なので、ぜひお話を聞いてみることをお勧めします。
来年10月に式年遷宮が行われる伊勢神宮の神社本庁総長 田中さんからのお話。550億円かかっているそうな。西暦690年から1300年に渡って続けられてきた、20年に1度の式年遷宮。“神宮”という言葉はお伊勢様を表すそうです。125のお社からなり、その総称が神宮。宇治橋は別名「柵(しがらみ)」だそうで、流木から守る役割がある。へえーっと思うようなことばかりでした。宗教交流ということにも少し触れていました。
第2部では学生の研究発表。宮城大学の
東日本大震災 石碑プロジェクトは観光×防災教育×記憶の共有といった目的が、わかりやすくプレゼンテーションされ、感心しました。
また、日本観光振興協会が募集していた「観光振興のための方策アイデア」で選ばれた2組の研究発表。ニューツーリズムとして「イマドキ・ツーリズム」の提案があった。頭にスッと入ってくるプレゼンテーションでした。キーワードは社会問題や経済問題に左右されない安定したツーリズム、個人旅行、着地型観光。
第3部はパネルディスカッション。パネリストはJTB、JR東日本、JAL、帝国ホテルから。
Q日本の魅力
JTB:訪日外国人アンケートで多いのは「食」。他にも魅力はある。歴史・文化・自然(四季の変化、これは外国人にお話しするととても喜ばれるそう)、安心・安全・清潔、日本人のおもてなしの心
帝国ホテル:日本のホスピタリティは「察する」にあり。外国人ははっきりと物事を伝えてコミュニケーションを取るが、日本人は察して行動する。何も言わなくともわかる。とても驚かれるそう。感想はenjoyといったことが目立つ。楽しんでもらってファンをつくりたい。
Q2011年の事業動向
JR:津波に流された車両もある。加害者になり得る立場であるが、幸いけが人などはいない。3月5日開業されたばかりのはやぶさ。E5系---いずれは東北全てもこの型に。4月29日新幹線運転再開。1日8500名で復旧に向けて動いていた。GW後半から風向き変わる。被害の少なかった青森から東北へ元気を!と呼び掛け。キャンペーン実施。
JAL:羽田空港国際化に伴い、20万人から100万人に増えた。訪日は1月の段階で前年比9割増だった。震災後海外旅行は7月に前年上回るなど、国内は消費の気持ちが衰えたわけではないようだ。
帝国ホテル:外資ホテルはスタッフが帰国して、営業休止していたところもあるそう。関東から関西へ行く人が多かったそう。周辺ホテルの平均4月の稼働率は前年70%に対し、33%程。SARSの時でも40%。夏以降は被災地からのお客様が見えた。12月には1990年以来、最高稼働率を記録した。日本人客の支えがあった。
JTB:自粛やインバウンドは前年比20%程。しかし早い回復。4月16日TDR再開、4月29日新幹線再開。『新婚旅行』前年比120%。テーマは絆。今後は同窓会などができる。節電があったので、北海道・沖縄にロングステイツアー。戸惑いがありながらもボランティアツアー。環境変化への新たな企画「絆」
Q事業の今後の展望
JAL:LCCが3社。ネット中心の販売チャンネル。新しい需要創出。
JTB:2012年3月12日100周年。「総合旅行業」→「交流文化基盤」店頭→ネットで。訪日客の着地型観光。魅力再発見。地域交流ビジネス。平和へのアンバサダー産業。
JR:東北への送客。ディステネーションキャンペーン。十和田などバスで入ることに依存していた地域はもどりがおそい。新幹線3年後金沢、その1年後函館へ延伸。航空などと競争ではなくて、トータルを増やしたい。一番の敵はネットだ。行ったその気になる。充足されてしまう。
帝国ホテルスカイツリーができる。IMF国際会議、東京で総会が行われる。ホテルは5000室の需要がある。会場は国際フォーラムと帝国ホテル。サイボス。MICEが盛ん。今後必要要素は異文化とマネジメント。グローバル人材。
これといって特に新しい話題性はなかったが、学生の発表はなかなか面白い切り口があってよかった。
*記事になっているものを見つけたので追記(2012/2/16)
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